この記事の要点
- 設置者は報告を受け、実施者の氏名を含む記録を確認・保存する
- 四国支部の契約書の例は「点検等の終了時」に報告を受ける形
- 内規と契約書の例に、報告の媒体が紙か電子かの定めは無い
内規が求める報告
内規4.(7)①ハは、設置者が保安管理業務の結果について電気管理技術者等から報告を受け、その記録(当該業務を実施した電気管理技術者等の氏名を含む)を確認及び保存すると定めています。報告して終わりではなく、設置者が確認し保存するところまでが要件です。
同じ①ロは、設置者が面接等で、点検に来た人が委託契約書に明記された技術者であることを確かめることを求め、技術者は身分を示す証明書で自分を明らかにするとしています。Q&Aは、個人の技術者の場合の証明書の例として運転免許証等を挙げています。
委託契約書の例に書かれていること
| 出典 | 書かれていること |
|---|---|
| 関東東北 委託契約書のサンプル 第2条 | 受託者は定期的な点検・測定・試験の結果を委託者に報告し、委託者は記録を確認して保安規程に定める期間保存する |
| 関東東北 同 第9条 | 受託者が実施し報告した結果の記録等は、双方で3年間保存する |
| 四国支部 記載例13 第8条 | 委託者は点検等の終了時に報告を受け、実施者と点検結果等に係る記録を(年数を記入)年間保存する |
| 四国支部 同 第7条(管理技術者の場合) | 委託者は契約の際に面接等で本人確認を行い、点検等の際は受託者が提示する身分証明書で本人であることを確認する |
| 四国支部 同 第7条(保安法人の場合) | 保安法人は保安業務担当者の氏名・生年月日・主任技術者免状の種類と番号を書面で知らせ、委託者は面接等で本人確認を行う |
Q&Aは、年次点検を技術者だけで行うのが難しい場合について、技術者の監督の下で点検が行われ、記録の確認がされていれば技術者が実施したものと考えると答えています。補助の人が作業した場合も、技術者が確認した記録として報告に残すことになります。
この記事で確かめた内規と契約書の例には、報告を紙で渡すか電子で渡すかの定めはありませんでした。媒体や渡し方は、設置者と相談して契約や保安規程の運用で決めておくと、後で行き違いになりません。
電子の報告書にするときに決めておくこと
- 報告の届け方(メール、確認用のページなど)と、届いたことを確かめる方法
- 設置者が「確認した」ことを、いつ・誰が確認したかで残す方法
- 実施した技術者の氏名が報告書に入っていること
- 設置者と技術者の双方で、保安規程の期間だけ保存できること
- 紙での受け取りを望む設置者への対応
点検から保存までの流れ
身分を示して点検する
身分を示す証明書で、契約書に書かれた技術者であることを示す。
点検の終了時に報告する
結果と、不適合やそのおそれがあれば指示・助言を伝える。
設置者が確認する
設置者が記録を確認し、確認したことが分かる形で残す。
双方で保存する
保安規程と契約書の期間、設置者と技術者の両方で保存する。
関東東北の委託契約書のサンプルの末尾には、刑法第159条・第161条の抜粋として、文書だけでなく電磁的記録の偽造や行使も処罰の対象になり得る旨が載っています。電子の記録も、後から書き換えられない形で残すことが大切です。
よくある質問
報告書を電子で渡してもよいですか。
この記事で確かめた内規と委託契約書の例には、媒体の定めはありません。内規が求めるのは、設置者が報告を受け、実施者の氏名を含む記録を確認し保存することです。保安規程と契約の内容を設置者と確かめてください。
口頭で伝えた異常も記録に残すべきですか。
内規は、不適合やそのおそれがある場合に修理・改造等を設置者に指示または助言するよう定めています。伝えた内容を報告の記録に含めておくと、確認と保存の対象になります。
でんき点検ノートでできること
でんき点検ノートは、記録を確定すると報告書PDFを作り、設置者にメールで確認用のリンクを送ります。設置者はログイン不要で開け、「確認しました」を押した日時が記録に残ります。紙で受け取った確認も「紙で確認」として残せます。
確定した記録は書き換えられず、訂正は理由つきの第2版として足され、第1版も残ります。
出典
- 関東東北産業保安監督部掲載「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」
- 経済産業省「主任技術者制度に関するQ&A」(令和8年10月)
- 関東東北産業保安監督部「自家用電気工作物の保安管理業務に関する委託契約書(サンプル)」
- 中国四国産業保安監督部四国支部「記載例13 自家用電気工作物の保安管理業務に関する委託契約書」
最終確認日
個別の判断は税理士・所轄の役所にご確認ください。