この記事の要点
- 記録に関することは保安規程に定める事項(施行規則第50条)
- 監督部の保安規程の例と契約書の例は、点検記録を3年保存
- 警報受信記録は3年、負荷の記録は1年と内規が定める
保存期間はどこで決まるか
電気事業法第42条は、事業用電気工作物を設置する者に保安規程を定めて届け出ることを求めています。施行規則第50条第3項は、自家用電気工作物などの保安規程に定める事項として、巡視・点検・検査に関すること、保安についての記録に関することを挙げています。
点検記録の保存期間は、この保安規程の中で定めるものです。関東東北産業保安監督部の委託契約書のサンプルも、設置者は記録を確認し「保安規程に定める期間保存すること」と書いています。
監督部が公開する例の年数
| 記録 | 保存期間 | 出典 |
|---|---|---|
| 巡視点検測定記録(日常・定期・精密) | 設置者と電気管理技術者の双方で3年間 | 近畿支部 保安規程条文の例(外部委託個人用)第20条 |
| 電気事故記録、補修工事記録、受電日誌 | 設置者と電気管理技術者の双方で3年間 | 同上 |
| 主要電気機器の補修記録 | 設備台帳に記録し、必要な期間 | 同上 |
| 絶縁監視装置の警報発生時の受信記録 | 3年間(技術者が保存) | 内規4.(7)⑤、保安規程条文の例 |
| 使用前自己確認の結果の記録 | 確認を行った後5年間 | 保安規程条文の例 |
| 保安管理業務の結果の記録等 | 委託者と受託者の双方で3年間 | 関東東北 委託契約書のサンプル第9条 |
| 負荷の記録(告示第4条第8号ハの需要設備) | 1年間(技術者が保存) | 内規4.(7)⑦ |
表の3年は監督部が公開する例とサンプルの値です。実際の年数は、その事業場の保安規程と委託契約書で確かめてください。四国支部の委託契約書の記載例のように、年数を空欄にして事業場ごとに書き込む形のものもあります。
設置者と技術者の両方に残す
内規は、設置者が保安管理業務の結果について報告を受け、その記録(実施した技術者の氏名を含む)を確認し保存することを求めています。保安規程の例も契約書のサンプルも「双方において」保存すると書いており、技術者の手元にも同じ記録を残すことが前提になっています。
保存の仕組みを決める流れ
保安規程の年数を確かめる
受け持ちの事業場ごとに、保安規程と委託契約書の記録の条を読む。
記録の種類を分ける
点検記録、事故記録、補修工事記録、警報受信記録、負荷の記録などを分けて管理する。
一番長い年数に合わせる
事業場ごとに違う場合は、長い方に合わせて消さずに残す。
取り出せる形にする
立入検査や設置者の求めに、期間を区切ってすぐ出せるようにする。
立入検査で見られる記録
中国四国産業保安監督部の令和4年度の立入検査結果には、需要設備の保安規程に関する指摘として次のものが載っています。指摘した事項は、検査の日から原則30日以内に改善の報告を求めるとしています。
- 保安規程に基づいた日常・精密点検記録が残されていない
- 保安規程に基づいた日常・精密点検周期で点検されていない
- 主要電気機器の補修記録が設備台帳に記録されていない
- 2021年における年次点検が行われていない
- 連絡責任者が指名されていない
点検記録のほかに残すもの
近畿支部の保安規程条文の例は、結線図・系統図・配線図・設計図・仕様書・取扱い説明書等と、関係官庁や電気事業者に提出した書類・図面の写しも、必要な期間保存するとしています。
よくある質問
法令で点検記録の保存年数が決まっていますか。
施行規則第50条第3項は、保安についての記録に関することを保安規程に定める事項としています。この記事で確かめた法令・内規では、点検記録一般の年数は保安規程で定める形で、内規が年数を定めているのは警報受信記録(3年)と負荷の記録(1年)です。
でんき点検ノートでできること
でんき点検ノートでは、点検記録・報告書・設置者の確認・訂正の履歴が1本の台帳に残ります。期間を選んで立入検査用の一覧として出せ、記録の指紋を計算し直して一致を確かめられます。
解約後も一定期間は閲覧と書き出しができます。
出典
- e-Gov法令検索「電気事業法」
- e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」
- 中部近畿産業保安監督部近畿支部「保安規程条文(例)(外部委託個人用)」
- 関東東北産業保安監督部「自家用電気工作物の保安管理業務に関する委託契約書(サンプル)」
- 関東東北産業保安監督部掲載「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」
- 中国四国産業保安監督部「電気事業法に係る立入検査結果 令和4年度の状況」
- 中国四国産業保安監督部四国支部「記載例13 自家用電気工作物の保安管理業務に関する委託契約書」
最終確認日
個別の判断は税理士・所轄の役所にご確認ください。