この記事の要点
- 令和7年4月1日から第8号ハの需要設備は3月に1回以上
- 絶縁監視と負荷監視の装置、主遮断装置等の更新計画が要る
- 負荷の記録は1年間保存、更新しなければ3月に1回は不可
令和7年の改正で何が変わったか
経済産業省は、令和7年3月31日に告示第249号の一部改正を公布し、内規とQ&Aも改正しました(令和7年4月1日施行)。外部委託で通常1月に1回以上とされる月次点検を、一定の需要設備について3月に1回以上とすることが認められました。
対象は、低圧電路の絶縁状態と負荷を的確に監視できる装置を持ち、主遮断装置と、責任分界点から主遮断装置までの開閉器・遮断器・配線が適切に更新されている需要設備です。告示第4条第8号ハに当たります。
第8号ハに当たる4つの要件
- 告示第4条第7号イ〜ニの設備条件の全てに適合する信頼性の高い需要設備であること
- 低圧電路の絶縁状態を適確に監視できる装置があり、内規4.(7)⑤(警報の処置と受信記録の保存)に適合していること
- 負荷を的確に監視できる装置があり、内規4.(7)⑦に適合していること
- 主遮断装置等が、保安規程に定めた更新の計画に従って更新されていること
Q&Aは、主遮断装置等を、責任分界点から主遮断装置までの開閉器(PAS、PGS等)、遮断器(CB、LBS、ACB、VCB等)と引込ケーブル(CVケーブル等)と説明しています。複数のキュービクルへの渡りケーブルがあれば、その全てが対象です。
負荷の監視装置に求められること
内規4.(7)⑦は、負荷の記録を1年間保存し、過負荷が4時間以上続いている旨の警報を繰り返し受信したときは原因を調べて措置することを求めています。Q&Aは、これに使える装置として次の要件を挙げています。
| 番号 | 要件 |
|---|---|
| ① | 変圧器の負荷電流を連続的に計測できる |
| ② | 30分ごとの電流値を計測し、電子記録媒体等に1年以上記録・保存できる |
| ③ | 記録したデータの履歴を表示できる |
| ④ | 30分ごとの負荷電流値と履歴を、技術者が遠隔地で表示・確認できる |
| ⑤ | 負荷電流が4時間以上続けて定格電流値を超えたら警報を出し、技術者が遠隔地ですぐ分かる |
| ⑥ | 装置が正常に動かず監視できないとき、技術者が遠隔地でそれを分かる |
| ⑦ | 年次点検等で装置が正常に動いていることを確かめられる |
| ⑧ | 設置の目的からみて著しく不適当な精度でない |
更新計画と手続きの流れ
更新計画をつくる
メーカーが定める更新時期や耐用年数をもとに、主任技術者と相談して作る。
保安規程に別表で定める
対象設備、更新周期、(参考)次回更新期限を書いた別表を保安規程に付ける。
委託契約書に書く
設置者が保安規程の更新計画に基づき更新する旨を契約書に入れる。
承認申請と保安規程の届出
外部委託承認申請と、保安規程の(変更)届出をあわせて出す。
年次点検で更新を確かめる
計画どおり更新されているかを確かめ、必要な指導をする(内規4.(7)③ロ(ト))。
更新期限が来ても更新しない場合、第8号ハの要件に合わず3月に1回の頻度は認められません。適法な頻度を設定し、改めて外部委託承認申請等を行う必要があり、手続きをせず続けると法律に基づく処分を受ける場合があるとQ&Aは書いています。
このほか告示では、小規模高圧需要設備(第6号)と、第7号に適合し屋内のキュービクル式で蓄電池設備・非常用予備発電装置が無い需要設備(第9号)も3月に1回以上です。第8号ハと第9号の換算係数には0.45を掛けます(告示第3条第3項)。
よくある質問
更新周期を変えたら届出は要りますか。
Q&Aは、別表のうち対象設備と更新周期を変えた場合は保安規程の変更の届出が必要で、参考欄の次回更新期限の変更だけなら届出は不要としています。
でんき点検ノートでできること
でんき点検ノートは、事業場ごとに3か月の周期も登録でき、その周期から点検の予定を作ります。点検で見つけた異常は、改善のお願い、設置者の回答、改善の完了まで事業場ごとに追えます。
出典
- 経済産業省「『電気事業法施行規則第五十二条の二第一号ロの要件等に関する告示』等の一部改正について」
- 経済産業省「主任技術者制度に関するQ&A」(令和8年10月)
- 経済産業省「平成15年経済産業省告示第249号」
- 関東東北産業保安監督部掲載「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」
最終確認日
個別の判断は税理士・所轄の役所にご確認ください。