この記事の要点
- 低圧の絶縁抵抗は0.1MΩ・0.2MΩ・0.4MΩ以上(電技省令第58条)
- 区切りは開閉器・過電流遮断器で区切れる電路ごと
- 外部委託の年次点検で第58条の値以上かを確かめる
電技省令第58条の基準値
電気設備に関する技術基準を定める省令第58条は、電気使用場所の使用電圧が低圧の電路について、電線相互間と電路・大地間の絶縁抵抗を、開閉器または過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の値以上と定めています。
| 電路の使用電圧の区分 | 絶縁抵抗値 |
|---|---|
| 300V以下で、対地電圧が150V以下の場合 | 0.1MΩ以上 |
| 300V以下で、その他の場合 | 0.2MΩ以上 |
| 300Vを超えるもの | 0.4MΩ以上 |
対地電圧は、接地式電路では電線と大地との間の電圧、非接地式電路では電線間の電圧をいうと、同じ条で定義されています。
外部委託の点検ではいつ確かめるか
内規4.(7)③ロは、年次点検の確認項目の最初に、低圧電路の絶縁抵抗が電技省令第58条に規定された値以上であることと、高圧電路が大地及び他の電路と絶縁されていることを挙げています。
一方、月次点検の測定は、低圧回路の絶縁状態を見るためのB種接地工事の接地線に流れる漏えい電流の測定です(内規4.(7)②ロ)。月次は運転中の漏えい電流、年次は停電しての絶縁抵抗、と分けて記録すると、報告書でも混ざりません。
停電しない年の扱い
停電点検を3年に1回にしている事業場では、Q&Aの関連資料が、絶縁監視装置による監視結果または漏れ電流計による測定結果が良好であることと、外観点検の結果が良好であることを、同等と認められる確認の方法として挙げています。
記録の様式に入れる欄
近畿支部が保安規程の手続きのページで公開している「絶縁抵抗測定記録」の様式例には、次の欄があります。
- 測定日、天候、気温・湿度
- 事業場名、測定器具、測定責任者
- 番号、回路名、使用電圧
- 測定値(メガオーム):線間・大地間
- 良否、摘要(処置)、記事
- 主任技術者の確認印
接地抵抗測定記録の欄
同じページの「接地抵抗測定記録」の様式例は、接地極ごとに、番号、埋設位置、接地させる機器と電気施設の明細、種別、法定最高抵抗値、測定値(オーム)、良否、摘要(処置)を書く形です。接地線系統図(接地線の種類と太さを記入)の欄もあります。年次点検の記録として、絶縁抵抗と一緒に用意しておくと便利です。
高圧電路について、内規は「大地及び他の電路と絶縁されていること」の確認を求めています。電技省令第58条の表は低圧の電路の値で、高圧電路の値ではありません。
測定から記録までの流れ
回路の一覧を用意する
開閉器や過電流遮断器で区切れる回路ごとに、回路名と使用電圧を並べる。
条件を書く
測定日、天候、気温・湿度、使う測定器具を記録する。
測って判定する
線間と大地間の値を測り、使用電圧の区分の基準値と比べて良否をつける。
処置を残す
基準を下回った回路は、処置の内容を摘要に書き、設置者に指示・助言する。
告示第249号第2条は、電気管理技術者と電気保安法人が備える機械器具の最初に絶縁抵抗計を挙げています。Q&Aは、低圧用・高圧用の区分は無く、事業場の状況に応じて必要性を判断するよう答えています。
よくある質問
単相3線式100/200Vの回路はどの区分になりますか。
第58条は、300V以下の電路を対地電圧が150V以下かどうかで分けています。対地電圧が150V以下なら0.1MΩ以上です。対地電圧の定義は同じ条にあります。
月次点検では低圧回路の絶縁をどう見ますか。
内規4.(7)②ロは、月次点検で低圧回路の絶縁状態を確認するため、B種接地工事の接地線に流れる漏えい電流を測定すると定めています。停電して絶縁抵抗を測る確認は、年次点検の項目です。
でんき点検ノートでできること
でんき点検ノートは、低圧の絶縁抵抗の判定に電技省令第58条の値を使います。B種接地線の漏えい電流など法令に数値の無い項目は、技術者が決めた自主基準で判定します。
測定値は1画面1項目で前回値を見ながら入れられ、確定すると報告書PDFに入ります。
出典
- e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」
- 関東東北産業保安監督部掲載「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」
- 中部近畿産業保安監督部近畿支部「絶縁抵抗測定記録(記入例)」
- 経済産業省「主任技術者制度に関するQ&A」(令和8年10月)
- 経済産業省「平成15年経済産業省告示第249号」
- 中部近畿産業保安監督部近畿支部「接地抵抗測定記録(記入例)」
最終確認日
個別の判断は税理士・所轄の役所にご確認ください。